ウィズリンクが吉野家HD入り 外食各社 M&Aや海外出店に勝機

公開:2019年5月30日

広島のM&A

外食産業が少子高齢化などによる国内市場の縮小で積極的な店舗拡大が厳しくなる中、市内各社はM&A(合併買収)や大手グループ入り、海外進出をキーワードに事業拡大している。

ラーメンなどのウィズリンク(安佐南区伴南)は3月、牛丼の吉野家ホールディングスのグループに入った。5月1日付で創業者の江口歳春社長は会長になり、同HDの執行役員でグループ法務室長だった富谷薫氏が新社長に就いた。現在、国内外で87店舗(国内58、海外29店)を構え、今後は同HDのスケールメリットを生かし、アジアを中心に海外でラーメンのフランチャイズ(FC)店を拡大するほか、国内ではテイクアウト商品の開発を進める。

コンプリート・サークル(中区八丁堀)は5月9日付で、愛知県の同業CANVASをM&A(合併・買収)し、16店舗増の計44店となった。今後はコンプリート・サークルの主力業態の「Suzu Cafe」や、さんまラーメン「永斗麺」を愛知県に出店し、CANVASの主力業態「メリケン」を広島、福岡県、東京に計画する。

また、海外展開では、お好み焼きなどのケーツーエス(安佐南区伴南)が米国で直営3店を運営。本社にデザイン事業部を新設し、店舗設計分野で現地からの引き合いが増えており、お好み焼き・鉄板焼き店などの開業支援とともに、主力の鉄板販売部門の増収につなげる。輸入車ディーラーなどを手掛けるバルコムグループ(安佐南区中筋)はシンガポールに焼き肉店の3号店を年内に出す。タイやオーストラリアなどに和牛を輸出する体制も整える。

広島経済レポート 2019年5月30日号掲載記事