みどりHD 島根の美又温泉など取得し、M&A加速
公開:2023年2月1日
ビルメンテナンスの第一ビルサービスなど16社で構成する、みどりグループ(中区大手町、杉川聡社長)は2月、150年の歴史ある美又温泉(島根県浜田市)の観光ホテル・温泉を取得する。続いて、今春に近くの旭温泉(同市)も計画。さらに広島市内の電気工事会社や九州の建設会社なども予定し、M&Aを加速している。
両温泉地は近くにあり長年競合してきたが、近年は客足が低迷。同社が取得することで、同社運営の温泉リゾート施設「風の国」(同県江津市)とも連携して広報する。それぞれが車で10分以内のアクセスといった近隣性と、高速インターからも近い利便性を発信。温泉地巡りを企画してエリア一体で集客を図る。同エリアから車で30分の場所には同社運営受託の「はまだお魚市場」(山陰浜田港公設市場)があり、各所を巡る観光プランも企画。江津市が再開発を進める有福温泉とも協力したいという。美又温泉は「美人の湯・美肌の湯」として知られ、2021年には観光庁など5省庁後援で行われる温泉総選挙「うる肌部門」で全国1位となった。旭温泉は「リフレッシュ部門」で3位。近隣の観光スポットを巻き込んで発信していく。
このほか、今春には広島市内と九州で工事会社の取得を予定。九州の建設会社は売上高が二十数億円規模で、22年5月にM&Aした総合建設業者の大和建設(福岡県久留米市)に次ぐ大きさ。九州エリアの事業拡大の足掛かりとする。第一ビルサービスは7月に設立60周年を迎える。今6月期はグループ売上高210億円を計画し、今後も年に2社程度のM&Aを検討して5年後に同500億円を目指す。
広島経済レポート23年2月2日号掲載記事