ロジコムが持株会社化 M&Aで新分野の輸送開始

公開:2022年5月13日

広島のM&A

自動車部品の納入代行や物流で地場大手のロジコム(東区矢賀新町、大上正人社長)は経営判断の迅速化や事業拡大、将来の円滑な事業承継などを目的に、4月1日付で持ち株会社体制へ移行した。2021年9月に買収した重機・建機輸送の新分野による業績上乗せなどを見込み、今3月期のグループ売上高(海外子会社除く)は前年比17%増の340億円を目指す。

既存のロジコムを持ち株会社に改組して同名の事業会社を設立し、大上社長がトップを兼務した。M&A先の建機運輸(安芸区中野東、売上高3億円弱)の社長には、ロジコムから転籍した古屋哲正氏が就任。これまで扱ったことのない重機・建機輸送のノウハウを取り入れ、全体のサービス品質向上に役立てる。運転手を確保する狙いもある。ロジコムの22年3月期単独売上高は前年比約3%増の約245億円を予想し、今期は280億円を目指す。このほかのグループ会社は運送のロジコム・アイ(東区矢賀新町)と保険代理業のニチブツ(同)。海外ではタイとインドネシア、中国に100%子会社があり、インドに関連会社を持つ。

中核事業では年明けをめどに、福岡県行橋市で新拠点を稼働予定。敷地約3万900平方㍍に平屋倉庫約8600平方㍍を新築する。同県には既に自社の物流センター含め複数の拠点があるが、業務拡大に伴い田川市の借り倉庫を拡張移転する。日産やトヨタの工場への部品納入を代行する。自動運転フォークリフトや無人搬送機を導入し、従業員の負担軽減を図る方針。

広島経済レポート 2022年5月12日号掲載記事