スタジオ アイがHP制作の越前屋の株式取得

公開:2021年4月22日

広島のM&A

スタジオアイ(広島県呉市朝日町14-7、相川真太郎社長)を中核とするエスエーホールディングス(同所、同社長)はホームページ制作などの越前屋(広島市中区小町)の株式を取得してグループ化し、事業領域を広げる。2019年から展開するメディア事業との相乗効果を発揮し、企業向けHP制作受注などを見込む。また、写真館「イノセンス」を今後5年で10店計画するなどグループ売上高を10億円引き上げ、30億円を目指す。

2月23日付で越前屋を買収。相川社長が会長に、社長だった土居貞宏氏は相談役に、専務だった岩本克己氏が社長に就いた。従業員13人を継続雇用。越前屋は病院検索サイト「ファミリードクター」など、病院関連のHP制作実績を多く持つ。エスエーHDグループは19年に雑誌「KURE:BAN」を事業譲受して、出版や広告代理業のSAメディアラボを展開しており、取材先や広告主のHP制作の受注拡大を目指す。また、自社のECサイトなどの運営にもサイトの制作技術を生かす。このほか、越前屋は店舗サインや内装の施工も行っており、将来は写真館で培ったインテリアコーディネートの技術を掛け合わせ、飲食店の店舗設計も手掛けたいという。

同グループは1932年に呉市で写真館を創業。近年はグループで運営する写真館「トータルスタジオ フォセット」や「クリエイティブスタジオ イノセンス」を積極出店し、現在、計17店を構える。こうした写真館で培った撮影技術を軸にデザインや出版といった領域に事業を広げている。コロナ禍を除いて右肩上がりを続け、グループ従業員は約300人規模に増加。今後、芸術的な世界観を打ち出したイノセンスブランドを県内や福岡県などで出店加速し、フォセットと合わせ30店体制まで増やしたいという。

広島経済レポート 2021年4月22日号掲載記事