サンポールが旗ポールの海外市場開拓
公開:2020年9月3日
旗ポールや車止め製造で国内トップシェアのサンポール(広島市中区南吉島、山根以久子社長)は、海外市場の開拓を強化している。2017年にタイ・バンコクの会社を買収し、現地で旗ポールの製造販売を始めたほか、国内生産した製品の輸出を加速。高機能やデザイン性などが評価され、現地の自治体や商業施設から引き合いが増えており、3年以内に海外事業で売上高1億円を目指す。近隣国への進出も視野に入れる。
旗ポールの国内市場は縮小傾向にあり、新市場の開拓に向け、14年にタイに出張所を開設。以降、展示会への出展などで営業を展開していた。17年にFRP(繊維強化プラスチック)製ポールを造るヨーロピアンフラッグポール社から打診を受け、傘下に収めた。社長は海外事業部長の石河内馨氏が兼務。現地採用した営業3人、製造5人体制。高品質な日本製品へのニーズは強く、車止めでは昇降できる「リフター」や擬木デザインなど、同国では珍しい機能の製品に引き合いが多い。これまでにタイの最高層ビル・マハナコンの屋上展望台ほか、20年5月にバンコクの繁華街カオサン通りに約530本の車止めを納品した。これらが評価され、継続して複数プロジェクトで導入を検討されているという。
同社は05年に中国・上海に現地法人を設けたが、伸び悩み一時撤退。代理店経由で台湾やシンガポール、フィリピン向けに少量の輸出を続けてきた。今後、ベトナム、ミャンマーなど近隣国への進出を目指すほか、タイで造るFRP製ポールや割安な部品の輸入など、相乗効果の高い事業で連携を進める。
広島経済レポート 2020年9月3日号掲載記事