福永建設工業が三東冷熱の管工事業を譲受 M&Aで建築分野の成長加速

公開:2020年9月24日

広島のM&A

土木工事の福永建設工業(広島市西区観音本町、福永大作社長)は9月1日、備後地区を主エリアとする三東冷熱(広島県福山市大門町)の管工事業を引き継いだ。1月に傘下に納めたアルミ建具工事の川口建工(同市南蔵王町)に次ぎ、M&A(合併買収)は今年2件目。成長市場に位置づける建築分野の専門業種を傘下に増やし、現在約1割の売り上げ比率を5年後に5割まで引き上げる方針。

三東冷熱は1972年創業。ダクトの製造、設置工事など管工事業を主力に、不動産賃貸業も手掛ける。小林英雄社長の高齢化を理由に、不動産賃貸業を除く管工事業の売却先を探していた。2019年8月期の管工事の売上高は4億7500万円。福永建設の100%出資で観音本町に設けた同社名の新会社(資本金2000万円)が、設備や社員16人を引き継いだ。福永社長が代表取締役社長に、倉本陽平氏が代表取締役専務に就いた。商業施設や工場、施設の空調設備が更新期を迎えており、営業エリアの拡大を視野に事業拡大を目指す。グループで手掛けられる業務を広げ、相乗効果を高める。

同社は土木工事の売り上げが8割を占め、残りが建設汚泥の中間処理と建築。土木は官公庁、建築は民間の発注が大半で、事業の柱を増やすことで経営リスクの分散も図る。19年9月期売上高は20億6900万円で、20年は25億円を予想。5年後にグループ売上高50億円を目指す。

広島経済レポート 2020年9月24日号掲載記事