広島の紙卸業界 老舗の資本譲渡相次ぐ
公開:2026年6月17日
業界大手グループ入り規模生かす
広島の紙卸売業界で西区商工センターに本拠地を置く老舗の木野川紙業(陣場健社長)やアオイ福原(小島健知社長)が相次ぎ、業界大手に株式譲渡し資本傘下に入るなど事業再編の動きが加速している。デジタル化で紙市場が縮小する中、スケールメリットを生かし、経営安定化を狙う。
1941年設立の木野川紙業は5月1日付で、新生紙パルプ商事(東京、三瓶悦男社長)に株式譲渡し、グループ入りした。新生紙パルプは資本金32億2800万円で、2025年3月期の単体売上高は2473億6500万円。木野川は、同じく商工センターに本社を構える1953年設立の泉紙業(泉恵太郎社長)から、3月に和洋紙卸売と断裁事業を譲り受けていた。
1953年設立のアオイ福原は4月1日、日本紙パルプ商事(東京、渡辺昭彦社長)の子会社となった。日本紙パルプは資本金166億4892万円、26年3月期の連結売上高は6067億7900万円。国内卸売事業を基幹事業と位置付けており、代理店・商社機能の強化を図っている。子会社化でサプライチェーンにおける競合他社との差別化を進めたいとする。
新生紙パルプ、日本紙パルプ、国際紙パルプ商事(東京)の3社は5月20日、紙の共同物流の強化を発表した。積載効率の向上に加え、荷待ち・荷役などの時間短縮を図り、配送の効率化を徹底する。
広島は中四国地方の商業・物流拠点として発展してきた歴史を背景に、紙流通や印刷関連産業が集積。商工センターの広島総合卸センターにはそのほか広島洋紙、吉川紙店、竹末洋紙、東洋紙商事、豊田紙販売といった有力紙卸が組合加入。紙市場を取り巻く事業環境が急ピッチで変遷する中、紙卸、印刷業界の取り組みが注目される。
広島経済レポート2026年6月4日号掲載記事




