ダイキグループ 岐阜、神奈川で介護福祉の事業譲受
スリランカに富裕層老人ホーム、ネパール現地法人も
総合人材サービスのダイキグループ(呉市広白石)は、介護福祉事業と教育事業を拡大している。介護福祉事業は4億円を投資し、岐阜県海津市の介護福祉事業会社と神奈川県相模原市の障害者福祉事業所から事業を譲受。海外拠点のスリランカでは富裕層向け老人ホームを開所した。教育事業では職業能力開発校・呉高等技術専門校の職業訓練を受託し、キャリアコンサルティングも行う。ニーズが高まる半導体分野では関東地区の専門学校の依頼で、「半導体セミナー・講座」を行っている。
【介護福祉事業】福祉施設運営 東海・関東・海外へ拡大
総合福祉事業所の(有)D―CLIP(岐阜県海津市南農町太田)を2億3000万円で譲り受け、事業運営を開始した。同社は2003年設立で、介護保険法に基づく短期入所生活支援事業所「香和ショートステイ」、居宅介護支援「かぐわケアプランセンター」、通所介護「リハビリデイ香和」を運営する。昨年9月、敷地約3550平方㍍で2階建て延べ1140平方㍍と平屋298平方㍍の2棟を譲受。計100人の利用者を受け入れ、地域社会に欠かせない存在となっているという。
神奈川県相模原市では、障害者総合自立支援法に基づく共同生活援助事業所「グループホームメロン田名館(2階建て延べ91平方㍍・定員4人)/上溝館(3階建て延べ214平方㍍・定員6人)」2棟を5000万円で譲り受け、地域で不足する「重度障害者の介護サービス」を展開。地域で障害者の社会活動参加を支援する。
海外拠点のスリランカでは、主要都市コロンボ郊外のバンダラナイケ国際空港から車で15分の敷地5940平方㍍に、2階建ての遊歩道付き「富裕層向け老人ホーム」を1億2000万円かけて開所。現地で20人の利用者を受け入れる。
【教育事業】職業能力開発校 職業訓練受託 事業の柱に
25年度に職業能力開発校・呉高等技術専門校(呉市阿賀中央)から職業訓練を受託した。グループの学校法人ダイキ学園が「介護サービス科」、(株)ダイキエンジニアリングが「CADワーク科(機械設計)」の計2講座を開く。教育だけでなく職業訓練後の就職につながるキャリアコンサルティングも担う。両講座は24年度にも受注しており、同グループが呉市から受託するCADスクールや、障害者向けPCスクールと併せ、介護やものづくり分野で活躍する人材の育成と就職をサポートする。
また、IT業界などでニーズが高まる「半導体分野」では、関東地区の専門学校の依頼を受け、新技術の教育を開始。情報科学専門学校(神奈川県)、専門学校国際カレッジ(千葉県)などの授業に「半導体セミナー・講座」を取り入れ、若手人材を育成する教育事業を推進する。好評で今後はポリテクセンター関東や、福山大学でも開講を予定している。
海外事業では、24年5月にネパールに現地法人「DTEC」を設立。同グループが運営する学校法人ダイキ学園ウェルテック専門学校広島校、ダイキ日本語学院東京と現地学生の架け橋を担うエージェント事業や、日本で働きたい外国人技能実習生・特定技能人材への日本語教育と送り出し支援を行う。