みどりHD 戸建てのイワキなど3社をM&A

公開:2025年1月24日

広島のM&A

環境配慮型や新ブランド住宅開発へ

ビルメンテナンスの第一ビルサービスなどでつくる、みどりホールディングス(中区大手町、杉川聡社長)は昨年12月に広島市内と島根県出雲・松江市の住宅・建設会社3社の株式を相次いで取得した。みどりグループの傘下は計21社となり、中国地方での事業拡大を目指す。

同月25日付で戸建て住宅の設計・施工・販売を手掛けるイワキ(西区井口)をM&Aした。中高所得層をターゲットに年間50棟の施工実績を持ち、年商規模は20億円。デザイン性と実用性を兼ね備えた土地付き住宅を提供し、高い満足度を得ている。佐伯区石内で商業施設「イシウチ・ぺノン」も運営。従業員数は33人(役員・パートアルバイト含む)。創業者の河内正晴氏の高齢と後継者不足に伴って事業を引き継いだ。新社長は第一ビルサービスの坂根紳也社長が兼務する。

また27日付で島根県出雲市の中央建設と、そのグループ会社で松江市の中央ホームをグループに入れた。ローコスト住宅「ニコニコ住宅」の設計・施工・販売を行い、年間施工実績は185棟を数える。共同仕入れや効率的な施工体制で低価格を実現し、年商規模は中央建設が34億円、中央ホームが6億円。従業員数は両社計67人(役員・パートアルバイト含む)で、社長は創業者の長男の足立智成氏が続投する。自社住宅ブランドの販売エリア拡大や新しい収益事業の開発を見据えてグループ入りした。

みどりグループは3社を傘下に置くことで、戸建て住宅の新ブランドの開発やリフォーム事業、環境配慮型住宅の推進を図るという。近年M&Aを加速しており、前期は実績がなかったが、年2〜3社ペースで取得。2024年6月期のグループ売上高は243億円で、今期は300億円を見込む。杉川聡社長は「地方の中小企業が生き延びるには個々で事業展開するより、力ある中小同士が組むことが大切。今後も年2〜3社程度のM&Aを進め、グループの拡大を図ることで地域の発展にもつなげたい」と話す。

広島経済レポート2025年1月23日号掲載記事