ヘイセイワークスが同業の中下合金をM&A エンジン部品など受注へ

公開:2023年10月13日

広島のM&A

金属切断加工のヘイセイワークス(東広島市黒瀬町津江4956―1、平沢光成社長)は9月26日、同業の中下合金(呉市広多賀谷3―7―9)をM&Aした。手のひらサイズの精密部品加工が主力のヘイセイワークスと、重さ300~600kgの大型加工が得意な中下合金の技術を組み合わせることで、これまで対応できなかった自動車エンジン部品や大型プレス金型案件などを取り込みたいとする。

中下合金は1980年4月設立。資本金300万円で、年商は2億円規模。産業用機械7、半導体関連3の売り上げ比。先代の急逝後、事務方をメインに担当してきた娘の坂上由美氏が家業を引き継いだが、金属加工の知識に乏しく、経営を任せられる外部の専門家を探していた。取引のあったヘイセイワークスで働く社員の姿を見て、理想とする雰囲気に近いと感じた坂上氏が事業譲渡を持ちかけた。スムーズな引き継ぎを目的として、2023年3月1日から平沢社長が中下合金の代表を兼務。取引先訪問や社内体制強化などに約7カ月間取り組み、株式譲受した。中下合金の本社工場は4階建て延べ約1000㎡。横型マシニングセンタ4台、立型4台、ロボドリル2台など計15台の加工機を有する。設備の稼働率を上げながら5年後に売上高4億円を目指す。

ヘイセイワークスは15年4月に設立。自動車試作部品や産業用ロボット部品などの加工を手掛ける。鉄やステンレス、アルミなどに加え、チタンや銅などの難削材の加工に強みを持つ。依頼に応じて3㎜から1mサイズまで年間2000種類を超える部品を小ロット生産。23年3月期売上高は約2億円。従業員10人。

広島経済レポート2023年10月12日号掲載記事