スマイルアグリが「果実の森公園」事業譲受 

公開:2022年7月27日

広島のM&A

スマイルアグリ(三原市大和町大草20075―28、原田敦夫社長)は今年1月、果実の森から農業公園「果実の森公園」の事業譲渡を受け、2月から同公園の運営に当たっている。農業事業を通じて中山間地での雇用確保・創出と地域振興を図り、地元へ貢献する。

スマイルアグリはニホンケミカル(同市本郷町南方8827―1、石田雅裕社長)の関連会社で、2021年10月に設立。果実の森は福山市の美建工業の関連会社。果実の森公園は総面積が約17㌶。1997年に国の補助事業を利用して整備された。敷地の約半分に各種の果樹が植えられ、果物狩りなどの観光客を受け入れていたが、近年はコロナ禍の影響を含めて利用が伸び悩んでいた。スマイルアグリでは、従来の果樹(イチゴ、サクランボ、ブルーベリー、梨、ブドウ、リンゴ、キウイフルーツ)を引き継いで栽培に当たる一方、引き継いだ際に伐採済みとなっていたモモの復活も目指している。

果物狩りは引き続き受け入れる一方で、園内店舗(ゲートショップ)での直売や近隣への卸を含めて果実の販売にも力を入れるため、各果実の品質向上に努めている。さらにジャムやジェラートなど農園の果実を利用した自社加工の商品にも力を入れる。原田社長は「まずはきちんと作って、きちんと販売することから取り組む。ICTの活用を含めて、きちんと管理すれば収量が増え、いいものが安定して収穫できるようになる。ブランディングや、園内の有休地活用、休業中のレストランの再開、周辺エリアとの連携など、課題は多いが一つ一つ取り組みたい」と話す。  このほか園内で飼育するアルパカやヤギ、ニワトリとの触れ合い、試験的に実施している農業体験ツアーの受け入れなど、従来の果物狩りを含めて、体験型施設としての充実も図る。園長には、いのかみ農園の猪上淳代表を登用。

広島経済レポート 2022年7月14日号掲載記事