ムロオが愛知の同業をM&A 全国物流ネットワーク拡充

公開:2022年5月11日

広島のM&A

食品輸送で地場最大手のムロオ(呉市中央1-6-9、山下俊一郎社長)は3月31日付で、同業の東海サービス(愛知県瀬戸市)の全株式を取得した。前期は別の会社もM&Aしたほか、新拠点などの押し上げによって、2023年3月期にグループ物流事業の売り上げは過去最高の858億円を予想する。

業務用食品輸送が中心の東海サービスは1989年に創業し、中部圏内に二つの自社倉庫含む5拠点を構える。資本金1000万円。業務拡大を目指す中、全国に物流網を築くムロオと手を組むことで効率化やコスト削減を図る。杉野真一郎社長が専務に就き、ムロオの山下社長がトップを兼務。従業員111人の雇用を継続する。トラック39台を保有。

ムロオは3PL(荷主の物流情報システム、在庫、受発注、配送管理、センター運営の包括受託)を強みに、21年3月期に11期連続で売り上げ最高となり、10年前に比べ2倍の規模へ成長した。集計中の22年3月期単独売上高は横ばいの690億円、利益は燃料費高騰が原因で微減を見込む。新規子会社を除外したグループの物流事業では売上高720~730億円。今期の単独売上高は初の700億円を予想する。グループ車両数は約1800台。

一般的に拠点が網羅されているほど効果的な輸送が可能になり、荷主の物流適正化につなげやすい。ムロオは4月現在で全国75拠点を抱え、同月には茨城県常総市に大規模物流センターを新設した。敷地4万1158平方㍍で、2階建て延べ4万5205平方㍍。6月には山口県宇部市の敷地1万2005平方㍍に平屋3108平方㍍を稼働予定。

広島経済レポート 2022年4月28日号掲載記事