ネクストビジョンが首都圏の制御システム会社をM&A 5年後にグループ売上20億円へ

公開:2022年5月26日

広島のM&A

システム開発のネクストビジョン(中区榎町2-15、有馬猛夫社長)は4月9日付で、首都圏の制御システム開発会社「株式会社 協同アナリシスデザイン」(神奈川県)を100%子会社化した。同社を足掛かりに、グループで首都圏での受注拡大を図るほか、アナリシス社の技術力を生かした商品開発にもつなげる。

2021年9月に子会社化したマイクロギア(大阪市)に続く2社目。アナリシス社親会社の業績不振から、M&A実績を持つネクストビジョンにオファーがあった。代表権のある会長に有馬社長が、取締役社長にネクストビジョン元役員の藤枝洋司氏が就任。アナリシス社は1982年の創業で資本金1200万円。ビジネスプリンター複合機の組み込み開発など、通信や制御系に特化したシステム開発を得意とする。2021年12月期の売上高は1億1700万円で、従業員15人。今後は市場の拡大が見込まれるICTを活用したさまざまな交通手段サービス「MaaS(マース)」などの分野に力を入れる。

ネクストビジョンはこれで、首都圏、関西にグループの拠点を構築。グループ会社をハブ拠点に、大都市圏での営業を強化する。製造業向けに、IoTを活用して業務改善を支援するコンサル型のシステム開発に注力。22年12月期の単独売上高は約7億5000万円を見込み、当初目標のグループ合計売上高10億円規模に達する。今後もM&Aの進展などを通じ、5年後にグループ売上高20億円を目指す。広島県情報産業協会の会長も務めた有馬社長は、「IT業界は特に東京や関西などに仕事や人材が集中しがち。大都市圏に拠点を持つことで、広島にも優良な仕事と人材が入ってくる流れをつくりたい」と話す。

広島経済レポート 2022年5月26日号掲載記事