ソシオグループ 事業承継のM&A相次ぐ
10年内に連結売上100億円へ
家電・日用雑貨品卸などの持ち株会社ソシオグループ(中区舟入幸町、日高寛彰社長)はM&A戦略を積極展開している。昨年6月から今年7月にかけて、老舗温泉旅館や衣料品卸売など業種の異なる4社の経営を引き継いだ。M&Aなどを通じて成長分野に資金を投じ、10年以内に連結売上高100億円を目指す。
石見銀山で有名な島根県大田市の老舗温泉旅館のがわや旅館は重要伝統的建造物群保存地区で営業し、10室35人定員で、年商1億円規模。続いて11月、福山エリア中心にソフトバンクショップを運営するネクシル(株)の経営を継承。事業拡大と組織力強化を図るため、同社を存続会社にソシオグループの同業の事業会社Crearを吸収合併した。
今年は1月に、長期保存できる観賞用生花「ボトルフラワー」のハイ・ファイブ(株)(東京)を継承。国内で唯一、100種類以上のボトルフラワーを生産〜納入でき、近年は仏壇や法事用などに需要が伸びているという。年商約1億円。競合が少なく、付加価値を高めた商品開発とブランディングで販路拡大する方針。7月に継承したユーエム商事(株)(福岡)は、ディスカウントストアを積極的に新規出店するダイレックス向けを中心に衣料品卸売の業容拡大基調にある。M&Aはこれで計6社となり、グループ事業会社は8社になった。M&A後は経営面や資金管理などを親会社が担うことで、事業会社は成長戦略に専念でき収益性を高めている。
M&Aによる増収効果が大きく、2025年3月期連結売上高は前期比13%増の46億円超だった。ホテル向けの客室家電販売が大きく伸長したほか、ソフトバンク事業の収益が寄与。コストコ向けのワインセラーや冷凍庫も好調だった。今期は55億円を見込む。現在は小売店などを通じて一般向けに商品を流通させる卸事業が中心だが、今後は家電や業務 用電気機器、通信機器などの事業者向け販売(一般事業者・飲食店・宿泊施設など)を強化していく。引き続き後継者難の事業承継などで事業領域の拡大を図る方針。