内航海運の双葉商会 鶴丸海運(福岡)がM&A
公開:2024年11月7日
売上200億円超のグループ傘下で業務拡大へ
カルビーポテト(北海道帯広市)のジャガイモ輸送を中心に内航海運業を手掛ける双葉商会(南区宇品海岸1-1-9)は9月、総合物流の鶴丸海運(福岡県北九州市、久保泰一郎社長)に全株式を譲渡した。完全子会社の双葉汽船と広島シッピングと共にグループ入り。鶴丸海運は国内外の海陸一貫物流が強みで、2024年3月期に連結売上高222億円を計上。中国地方初の拠点として、既存業務の継続とともに荷主の開拓を図る狙いだ。
双葉商会は1951年に創業し、23年8月期の単体売上高は17億9200万円、資本金1300万円。グループで船舶5隻を保有し、東京支店を構える。船主業(船の貸し出しや船員派遣など)や貨物仲介業も行い、化学工業大手トクヤマの物流子会社などと取引がある。後継者が不在だったほか、継続的な発展を目指して事業譲渡した。船員140人、工務監督2人など全151人の雇用を継続。杉浦賢治社長は取締役を退任して相談役に就き、鶴丸海運の久保社長が代表取締役を兼務する。
鶴丸海運は海運、港湾運送、陸運、倉庫業を展開している。一般貨物船やガット(土砂等運搬)船、セメントタンカーなどを持ち、貨物の種類に応じた最適な輸送手段を提供する。福岡県北部の関門港に港湾運送事業の拠点を置き、鉄鋼製品や大型部材、原料物などを中心に沿岸荷役作業を担う。陸運業ではトラックやトレーラー、特殊車両をそろえる。タイやインドネシアなど東南アジアにも拠点を構え、グローバルな市場に対応。1921年に設立し、現在の従業員は536人。
広島経済レポート2024年11月7日号掲載記事