MSファーマシー 今春、同業2社を事業承継 かかりつけ薬局の店舗網拡大へ

公開:2023年4月7日

広島のM&A

舟入南薬局など運営のMSファーマシー(宮本誠二社長)は今春、同業2社からの事業譲渡を受け、計5店舗体制とする。IT化による効率化などで店舗の収益性改善などを図ってきた実績を強みに、今後も後継者難などで悩む薬局の受け皿を目指す。

医薬品卸業者から紹介を受け、大竹市のえばた薬局(元町1-11-2)とカワモト薬局(西栄3-2-18)の事業を譲り受けた。いずれも経営者の高齢化で後継者探しが難航していたという。前者は耳鼻咽喉科の村上クリニックの門前薬局で、大竹小学校そばに立地。後者は津村眼科の門前薬局で、JR大竹駅から徒歩2分に立地しているが老朽化に伴い今夏、西栄3丁目内で新築移転する計画。MSファーマシーは国が進める薬局の「門前からかかりつけ・地域へ」の方針を受け、地域名を冠した薬局名に統一。えばた薬局は大竹元町薬局に、カワモト薬局は西栄薬局に変更する。

医療機関や薬局は4月からオンライン資格確認導入が原則として義務付けられるが、高齢化などで対応が難しい薬剤師もいるという。同社はこれまで舟入南薬局や毘沙門台薬局などの経営に当たって薬歴の電子化などを進めることで効率化してきた。オンライン資格確認導入を機に事業譲渡などを進める同業者が増えるとみる。宮本社長は「今後、再診なく繰り返し使えるリフィル処方せんの本格化などで、地域住民のかかりつけ薬局の重要性が高まる。店舗数の拡大で経営基盤の強化を図り、その地域になくてはならない存在を目指す」とする。

広島経済レポート 2023年4月6日号掲載記事