菱光産業がHD体制で独自の成長戦略 6月新社屋完成、商社機能強化へ
建設機械やプラント用配管部品販売の菱光産業(広島市西区商工センター6-2-17、吉田大蔵社長)は、2020年12月1日付で「RYOKOホールディングス(株)」(中区河原町12-9、社長同)を設立。商社機能を拡充する体制強化に乗り出す。先行して取引先の需給マッチングを促すポータルサイトを構築。営業効率を高めながら機動力のある配管部品の専門商社として独自の成長戦略を推し進める。6月末には商工センター内に新社屋を竣工予定。
ホールディングス体制への移行を機に、関連企業とのM&A(企業の合併・買収)も視野に入れており、配管を柱とする本業をサポートして企業価値向上につながる事業領域を整える構え。同社の取引先はコベルコ建機や三菱重工業をはじめ、コンビナート、発電所向けを主力に120社強に上る。インターネットで部品売買が可能になる中、特殊な部品や打ち合せが必要なもの、調達が難しいなどの、どんな課題にも対応できる戦略を打ち出している。
営業体制強化の一環で18年4月にポータルサイト「ニッポン&アジアものづくり企業ポータル」を開設。掲載目標100社を掲げ現在、中国地区の60社の取扱製品や加工技術の強み、得意分野などを紹介。最適な製品・加工技術や納期などの情報を収集~発信し、登録企業の相互取引拡大にもつなげる。技術の見える化へ動画制作サービス(オプション)も用意。プラント関係に携わる取引先に向け、配管材の種類・材質などの知識とフランジ(つば状の配管継手)締付の実技を体系的に学んでもらう講座も始め、ものづくり企業向けサポート体制を拡充している。
20年7月に60周年を迎え、安佐南区山本からの本社移転を計画。主力取引先のコベルコ建機に近く、道路交通アクセスなどの立地条件を備える移転先(現在地は広島総合卸センター共同倉庫事務所)を選定。商工センター1-14-64に建設中の新社屋が完成次第、移転する。
同社のタイ現地法人はASEAN各国に進出する日系企業を対象にした配管材などの現地調達機能が軌道に乗り、建機や自動車、産業機械向けに扱い量が増加。さらに受注先企業の間口を広げていく方針だ。