福永建設工業が建築分野のM&A加速、1年で3社 給排水衛生の丸忠工業を傘下に

公開:2021年2月11日

広島のM&A

土木工事の福永建設工業(広島市西区観音本町、福永大作社長)は、成長市場に位置づける建築分野のM&A(合併買収)を加速している。1月12日付で管工事業の丸忠工業(西区己斐本町3-17-1)を買収し、約1年で3社を傘下に収めた。現在約1割の建築事業の売り上げ比率を、5年後までに5割まで引き上げる計画。グループで手掛けられる業務を広げ、相乗効果を高める。

丸忠は1972年設立で、市内を中心に給排水衛生設備工事を手掛ける。2020年4月期売上高は1億2400万円。後継者不在で事業承継が課題となっていた。福永社長が代表取締役会長、丸忠で専務だった中村匡之氏が取締役社長に就いた。安佐南区の長束と相田にある2つの倉庫、従業員6人の雇用を引き継ぐ。子会社は、測量などのイーコム(西区観音本町)、20年1月に子会社化したアルミ建具工事の川口建工(福山市南蔵王町)、9月に冷暖房空調設備工事業を引き継いだ三東冷熱(同市大門町)に次ぐ4社目。

同社は土木工事の売り上げが8割を占め、残りが建設汚泥の中間処理と建築。土木は官公庁、建築は民間の発注が大半で、事業の柱を増やすことで経営リスクの分散も図る。20年9月期売上高は前期比28%増の26億5100万円を計上。グループ売上高は35億円規模となり、5年後に50億円を目指す。

広島経済レポート 2021年2月11日号掲載記事