総合建設業のシンクグループ
グループ連携生かし売上50億円に迫る
Vol.3 注目のピックアップカンパニー
シンクグループ
広島県東広島市に本社を置き、総合建設業として発展を続けるシンクグループ。2021年12月に新社長が就任し、今後の事業拡大に向け、関連領域でのM&Aや事業承継を検討している。これまでの発展の経緯や今後の事業展開への想いを聞いた。
―シンクグループについて教えてください。当グループは5社で形成しています。2021年12月にグループの社長に正路隆弘会長の息子の盛也が付きました。新社長は30代と若く、今後の成長に向けて、シナジー効果の出る業種業態で事業承継やM&Aを検討しています。
中核のシンクコンストラクションは、1955年の創業以来、道路・橋梁・河川などの土木工事、幼稚園から大学までの教育機関や福祉施設、耐震の建築工事など、多彩な公共・民間工事を手掛けています。事業規模はグループで売上高48億円となっており、最近は、災害復興工事の受注増に伴って、順調に拡大中です。
-最新技術への関心も高いようですね。 当社では、既存の技術だけではなく、最新のICT活用工事を積極的に実施しています。例えば、大雨による災害で道路が崩壊した際には、レーザースキャナーやドローンで地形のデータを取得して復旧工事に生かしたり、商業施設の造成工事の際には土量計算の利用のためにドローン測量を行うなど、新しい取り組みにも率先して取り組んでいます。
-新しい領域への挑戦する際にはどのようなことを大切にしていますか。
そして、実際にどのような事業に参入してきましたか。
建築・土木のプロ集団としてスタートした当社は、地域に根差し、郷土の「まちづくり」に貢献することをモットーに事業領域を広げてきました。
1996年に設立したシンクファームでは、建設工事業を主体とし、残土・砕石の再生や、調整池の整備、伐採植林活動を通して生態系を守る「自然の環境づくり」に取り組んでいます。
このほか、2018年の西日本豪雨災害発生の翌月には、警備業のシンクアイを設立し、新たな領域に参入しました。災害復旧や緊急時だけではなく、工事現場の見守りや、イベント運営の警備などの領域で拡大し、従業員は25人まで増えています。
また、当社のグループを支えるのは、2000年に設立したシンクコンサルタント。建設に関する情報をデータ分析し、適応するソリューションを提供しています。アウトソーシング業務を主軸に当グループの連携の強化を担う会社です。
建設会社は、男性のイメージが強いですが、当社では「建設ディレクター」という積算や書類作成などの業務を手掛けるスペシャリストの多くは女性です。各アウトソーシング業務の専属のスペシャリストとなって、多忙な現場社員に代わって業務を行うなど、活躍しています。こうした連携により、効率化や生産性の向上を図り、拡大。その後の当社の発展に寄与しました。シンクグループのコンセプトは、「考える(Think!)」です。「一日、一考」を日々の行動指針とし、商品開発や営業など、さまざまなことをボトムアップで考え、実現しています。
建設に関連した事業でシナジー効果を発揮しながら、拡大を続けており、現在、設計や設備やといった分野でのM&Aを検討しています。建設にかかわる業務を設計から担い、土木・建築・内外装・設備施工へと領域を広げ、総合建設業として発展を目指したい。
人材面では未経験の若手から高齢者の採用を積極的に進めています。高齢者の継続雇用を通じて、積み重ねた見識やスキルを生かしてもらい、若手への教育のためにもなっています。若手へは資格取得への後押しも行っており、一定の成果をあげています。今後も東広島での建設業のレベルアップ、スキルアップを目的に教育の仕組みを構築していくとともに、不動産の事業承継についても取り組みたい。
【会社名】シンクグループ
【代表者名】正路 隆弘
【売上高】48億円(2021年12月期)
【従業員数】100人
【公式サイト】https://thinkinc.co.jp/