アシードHD 健康茶飲料の開発加速 相次ぐM&Aで製販とも体制強化
公開:2023年4月11日
自販機運営や飲料製造のアシードホールディングス(福山市、河本大輔社長)は、健康茶市場の高まりを受けて茶系飲料の製販を強化する。関連事業を手掛ける事業者の相次ぐM&Aと積極的な設備投資を計画し、商品開発を加速。飲食店や美容サロン、個人向けの通信販売ノウハウも取り入れ、同市場でのシェア獲得を図る。
コロナ禍で今まで以上に健康意識が高まっているほか、米国などへ茶の輸出も増加している。昨年8月にごぼうや桑の葉など健康茶10種を製造する河村農園(大分県)を子会社化し、同社の商品開発の知見を生かす。2023年4月5日付で静岡ロートシステム(静岡)を子会社化し、茶葉の加工を内製化。同社の工場は異物処理や殺菌加工に対応し、大型ラインで大量に加工できるほか、24年2月には新たなラインも完成予定。有機JAS制度の認定を受けているためオーガニック飲料も製造でき、より付加価値の高い商品開発を可能にした。競合大手との差別化に向け、特色のある品種を発売する方針。新たな販売チャネル構築のために、茶葉のネット通販に強みのあるマルサン萩間茶(同)も同日付で子会社化。健康茶事業を新たな収益の柱に育てる。
同社は22年に策定した3カ年の中期経営計画の一環で、同年4月に健康飲料のブランド「Prie」を立ち上げた。25年3月期グループ売上高は22年から約1・5倍となる300億円への引き上げを掲げる。
広島経済レポート 2023年4月6日号掲載記事