東洋電装が持株会社設立 介護システムなど成長分野の機動性高める

公開:2022年1月20日

広島のM&A

御盤制作などの東洋電装(安佐南区緑井4-22-25、桑原弘明社長)は2021年12月、持ち株会社「TDホールディングス」を設立した。傘下に東洋電装、TD衛星通信システム(同)、介護システムのZipCare(同)、バロ電機工業(安佐南区伴中央7-8-1、田中政宏社長)の4社を置く。社長は桑原社長が兼務し、成長が見込まれる衛星通信、介護システム分野で機動的な対応ができるよう持ち株会社化した。安佐北区可部南に建設していた東洋電装可部事業所は12月に完成した。

東洋電装は桑原社長の父が1973年12月に設立。可部事業所は敷地1260平方㍍に2階建て延べ964平方㍍を新築。緑井の本社工場から制御盤事業部を移し、30人が勤務する。県の補助金に採択され、RFID(タグリーダー)による棚卸作業・工具管理などDX(デジタル変革)のモデル工場に位置付ける。他に東京、神戸にオフィスがあり、高速道路の路側情報伝達装置「ERICE」や無線LANの制作・設置も行う。  バロ電機工業は15年4月にM&Aで100%子会社に。西川ゴム工業など自動車関連企業の工場ラインの制御がメーンで、ひだにシワを付け自動で折りたたむ「ちょうちん自動谷折り機」も開発した。

TD衛星通信システムは18年6月に事業譲渡を受け新会社を設立。タイのタイコムや米国のインテルサットと契約し、衛星ブロードバンドインターネットサービスを展開。病院や自治体などに災害時などのBCP用、光回線が届かないダムの遠隔監視用カメラなどに利用されており、21年には東京都台東区に衛星通信テスト拠点を設けた。

19年11月に介護施設向け睡眠見守りセンサーの事業譲渡を受け、新会社「まもるーの」を設立。21年12月、将来のビッグデータ、AI活用を見込み、ZipCareに社名変更した。マットレス下のエアバッグ式圧力変動検知センサーで呼吸や体動を検知し、睡眠や離床をモニタリングできる商品ブランドの「まもる~の」は継続する。

広島経済レポート 2022年1月20日号掲載記事