三幸産業が大連のわかめ加工会社買収へ 上海に調味料協力工場
公開:2021年2月18日
だしパックを主力に海・農産物、加工食品を製造する三幸産業(広島市安佐北区上深川町122-3、世良昭浩社長)は数年以内に中国・大連のカットわかめ製造会社を買収し、上海では協力会社の調味料製造工場を稼働させる。国内自社工場の製造キャパは35億円程度で、製造能力の拡充と価格競争力の向上で10年以内に年商50億円を目指す。
カットわかめの製造を行う尾坪食品有限公司(大連)とM&Aで合意済み。新型コロナが落ち着いた頃合いを見計らって世良社長が渡航し、現地子会社を設立次第、現地の貿易会社と合弁で買収する。単独の投資総額は約2億円。即席みそ汁の具などの原料の安定的な確保と価格競争力の向上で、売り上げの7割を占めるOEMの受注対応力を高める。
上海の協力工場はコロナ収束後、設備・スタッフを整えて稼働する。製品は自社ブランド商品として国内外の量販店などで販売。自社工場製に加え、より安価な中国製の投入で顧客層の拡大を図る。また、各国に合わせた味付けの調味料などで自社ブランド商品のラインアップを拡充し、売上比率を現在の3割から4~5割まで引き上げたいとする。
ここ数年で本社・関東営業所(埼玉)の営業要員を約2倍の計12人に増員。十数年前から台湾・中国など海外販売に注力しており、タイなど新たな販路を開拓したいとする。
1988年創業。現在の従業員数77人。売上高は初めて30億円を突破した2017年6月期から増加基調で、21年は前年比2・5%増の33億5000万円を見込む。22年は34億円以上を予想する。
広島経済レポート 2021年2月18日号掲載記事