佐藤型鋼製作所 溶接鋼管最大手の丸一鋼管(大阪)のグループへ

公開:2024年9月26日

広島のM&A

脱オーナー経営

3年越しの経営改革が実った。建築用鋼製下地材を開発、製造販売する佐藤型鋼製作所(西区三滝本町)は10月、溶接鋼管最大手の丸一鋼管(大阪)のグループに入る。

独自性や優位性のある中小企業を買収し価値を高めて売却するバイアウトファンド運営のベーシック・キャピタル・マネジメントから脱オーナー経営に向けたハンズオン支援を受け、2021年にファンド入り。昨春に人事給与制度を整え、営業利益を賞与に還元する仕組みとし、併せて権限委譲を推進。われわれの手で業績を伸ばそうという意識が次第に根付き、一人一人が主体的に動くようになったという。求人の応募も増えた。

大型倉庫建設ラッシュによる需要増や鉄鋼価格を反映した価格改定などが相まって23年3月期は過去最高の売上高24億5051万円、経常利益5億4854万円を計上。引き続き陣頭指揮する佐藤公章社長は、
「製品や技術力には自信を持っていた。事業承継を前提に3年前から準備してきた経営改革をほぼ整え、大手との提携交渉が進展。向こう数年の引き継ぎ期間に、さらに業績を伸ばしモチベーションを高めたい」

広島経済レポート2024年9月26日号掲載記事