マリモHD イオンモールと資本業務提携

公開:2023年4月10日

広島のM&A

マリモホールディングス(西区庚午北、深川真社長)は将来の株式上場に向けた準備や成長戦略の一環で、3月20日までにグループの事業と子会社を「国内不動産事業」、「海外不動産事業」、「非不動産事業」の三つのグループに再編した。それぞれの事業で社会課題の解決につながる取り組みを加速し、2030年をめどにビジネスとソーシャルビジネスの割合を50%ずつにする〝ソーシャルビジネスカンパニー〟を目指す。

国内不動産事業は、引き続き地方都市での分譲マンションや市街地再開発、都心部のコンパクトマンションなどに力を入れる。イオンモール(千葉市)と資本業務提携し、多機能複合型の大規模開発などを一層推進する。イオンモールが保有する商業施設の敷地・隣接地の活用や高度化にも取り組む。マリモは住宅分野に加え、賃貸物件やホテルなどの多彩な収益不動産開発の実績がある。イオンモールが持つ商業施設開発の強みと連携させつつ、地域コミュニティーの形成支援に積極的に関わるなど〝地域共創〟を目指す。3月27日付で、イオンモールがマリモHDからマリモ株式の30%相当を譲受した。引き続きマリモHDが大半の株式を保有し、今後も経営体制に変更はない。

海外不動産事業は東南アジア・中国を主な舞台に展開する。既に中国で二つの分譲マンションを手掛け、大規模複合開発の共同プロジェクトにも着手している。フィリピンではアフォーダブル住宅(中低所得者が購入できる価格の住宅)事業に取り組んでおり、近隣諸国への展開も視野にスピーディーな供給を図る。

非不動産事業ではウェルネス、グローバル・IT、地方創生、公共福祉、環境衛生という五つの事業領域において、持続可能な有機農業や「シトラスパーク瀬戸田」運営を通じた地域活性化、障がい者グループホームや放課後等デイサービスの運営、国際人材紹介などの事業を推進していく。

広島経済レポート 2023年4月6日号掲載記事